◆◆◆ 166 ★ 箱を頂く ◆◆◆

2004.8.20

最近サボリ気味のコロニ会のデッサンで、アタシと入れ違いに入ってきた『Fさん』が、箱を届けに来てくれる。

何の箱かといえば、建築現場の土の採取をして土質を検査する標本箱である。

それが7つ位あり、捨てるというので頂くことにする。

何に使うのかといえば、コラージュに挑戦するのである。

去年、町田市国際版画美術館に行ったときに、ミロの箱が展示されていた。

箱は、全てを黒く塗られていて、外にも内側にもミロの絵が描かれていた。

なんて『イカした箱なんだろう』と、アタシのノウミソに映像がずっと残っている。

箱の中には、何かアートが隠れていて、開くと作品が見られるというタイプの品に仕上げてもいい。

ダンボールの上などにコラージュした品を収納するのに使おうかと思っている。厚みがある品を破損しないように保管するのは大変なのだ。

普段は、箱を閉じて収納。展示するときには、箱を開いて並べるという風に使う。

取っ手をつけて、絵の具箱にしてもいいし、フルート入れなどを作り、売ったっていい。(フルート持ってませんけど。^^勢いで書いてみました、、、、、)

そんな感じで、箱は、無事に到着した。

あら、スケッチを入れるのに丁度イイサイズかも。

みたいな感じ。(何故かピッタリ)

箱には、まず、ペンキで白か黒に色を塗る。

二回くらい塗れば、かなりしっかりと白地が出るので、そのあとアクリル絵の具か油絵の具で、色を塗ってゆく。

どっちにすっかなあ。

とりあえず、まだ使っていないアクリル絵の具が大量にあるので、それを使うことにしようかと思う。

変に油絵のデコボコが残ってしまうと、箱を重ねて置く時にガタつくからである。

どんな絵を描くのか考えないとなあ。

楽しみだぜ。

藤井信明さん作

Fさんは、最初『アタシの絵をみたい』などと言っていたが、大量にある銅版画作品を見て、自分も作ってみたいと思ったらしい。

この前サスケが来て、一枚作っていった話なんかも知っているので、自分も試しに作ってみようという考えだ。

頼むぜ。版画をやりたい人はさ、『銅版画にチャレンジ』一回読んできてね。

あとさ、事前に、その旨伝えておいてくれるかなあ。

ちゃんとした版画は準備に時間がかかるのよ。

作品の閲覧テーブルは急遽、銅版画製作用のテーブルと化し、Fさんは早速銅版画の制作に取り掛かる。

彼は一級建築士で絵も描いているデザイナーなのだそうだ。

一級建築士というだけでも、アタシより格が上である。(あの試験は難しい)

最初にCDとニードルを出し、ニードルで作る溝の感じなんかを練習してもらう。

そうしたら、次に、小さい銅版に絵を描いてゆく。

藤井信明さん作

絵を書ける人が来ると、そりゃあもうサラサラモードで、見ているほうもラクチン。

サスケの時もそうだったが、銅版を与えると、勝手に作り始めているという感じである。

そんでもって、二人とも、『お教室とかはやらないのですか?』などと聞いてくるので、

『アタシの絵が描けなくなるからね。食い詰めたら考えるわ。』などという答えを返すオジャラなのであった。

例えば、カルチャースクールなどにすると、生徒は何もしないので、物凄くアタシの作業が増えるのである。

アーティストの方であれば、木版画とかプリントゴッコ程度は使ったことがあり、版画の筋を教えるのが楽なのだが、全くやったことのない人に最初から教えるのは時間がかかる。

アーティストであれば、とりあえずの事を教えてあげれば、勝手に作り進んでゆき、あまり手がかからない。

アタシは、カルチャースクールで長いので、その辺よく解っているのである。

アタシが、頂いた箱のラベルの残骸を取り除く3時間の間に、Fさんは二枚の版を完成させ、7枚の版画を刷り上げた。

『いやー、ハマリそうですねー』などと言いながら、アタシから銅版を3枚と、ニードルを3本仕入れてゆく。

そんでもって、アタシに版画を一枚ずつ上納し、帰って行ったのだった。

ふふふ。新しいコレクションが増えたわぁ。

それにしても、いきなり赤(茶色)で刷るというのが不思議よねえ。

また、銅版仕入れておかないと。

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